あらすじ

大和《やまと》武《たけし》は日々必死に体を鍛えている。  それは単純に凄まじい危機感からであり、己を守る為にも妥協など許されない。  それは何故か?  この世界のシステムが狂っているからだ。  実は武には前世の記憶がある。  今生きている世界と同じような世界であり、一部を除いて大きな差はないと思われる。  では、その大きな差と言うのは、男女比がとんでもなく狂っているのだ。  だから、それに付随して前世と違う部分もままある訳だが、その筆頭が男が子供を産めると言う摩訶不思議な現象だ。  前世では普通に女性が好きだった武からすると信じられない事に、この世界で男の恋愛対象は基本的に男性で、しかも男を孕ませられるのだ。  意味が分からな過ぎて、未だに理解したくないとさえ思ってしまう。  どんな原理かもこの世界で証明されてないが、とにかく男が気に入った男を腕力や知力などで屈服させれば、孕ませることができるらしい。  もしくは、相手の子供を産みたいと思えば、自然と孕めるようになるそうだ。  この事実を知った瞬間は、あまりの気持ち悪さに身震いが止まらないと同時に、父親に土下座する勢いで格闘技を習うお願いをした訳だ。  余談だが、父親が実は武を産んだ母親(?)であったりもして、しかも、両想いだったから相手の男性にも母親もとい父が孕ませた腹違いだけど同じ両親の兄弟もいるらしい。こんな話を聞かされた当時の武は、気が狂いそうになったりもしている。  しかし、気が狂いそうだからと悲観している場合ではない。  誰かに負けを認めさせられたら終わりなのだ。  ちなみに、何故そんなにも危機感を感じているのか?  それは、単純に武の容姿が整っているからだ。  武を産んだ父なのか母なのか分からない親もイケメンだし、相手の写真も見せてもらったが、その人もアイドル顔負けの容姿だった。  でも、両想いなのに何故一緒に暮らしていないかと言うと、自分から見ると純粋に父に当たるその人が外国の実力者に目を付けられ、屈服させられて連れていかれたかららしい。  こんな話を聞かされて、危機感を抱かない間抜けはいるだろうか? いや、いる訳がない。  すでに恐怖を感じていた武は、当たり前のように心の底から震え上がり、ならば誰にも負けない様に己を鍛えようと心に誓ったのだ。  ぶっちゃけ知能の方にあまり自信がない武は、とにかく体を鍛える方に注力する。  不幸中の幸いは、自分が自信を持った何かで負けを認めなければ、子供を孕む様に体は変わらない。  つまり、最悪心が折れなければ大丈夫だったりする訳だ。  しかし、何も自信がない男は、抱かせろ! と迫られれば無条件で相手の子を孕む準備を体が進めてしまう。  ならばと、とにかく体と心を鍛える事にした訳だ。  お陰で、思春期真っ只中の中学時代に、先輩後輩同級生問わず大量の男から勝負を挑まれたが、全て勝利を収める事に成功している。  それでも、負けたから抱いてくれなんて戯けた事を抜かす連中もかなり出たが、俺は男を抱く趣味などない! と断った。  それについては父を含む周りの人間全員から不思議そうにされているが、何が悲しくて女の子が好きなのに野郎など抱かねばならないのやら。  と言うか、この世界では未成年のはずの中学生も、中学生同士なら子作りOKとか言う法律がある。ぶっちゃけ、狂っているとしか思えない。  この辺りも男ばかりの世界で、力こそ正義かつ男同士で子供を作れる弊害……なのかもしれないが、もはや武からすると己のお尻を守るのが一番大事で他は最早些事だ。  そんな武もいよいよ高校に入学することになり、しかし、とある事実により期待に胸を膨らませるのだった――。

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カクヨム
カクヨム2026/08/10
  • 現在の作品転生したら男ばかりの世界だった~こう言うのって、普通女性が多いんじゃないの⁉~