あらすじ

「あんた、俺のところに来た死神?」 真夏の墓地で、葬儀会社に勤める高瀬彰人は、五年ぶりに藤代朔と再会する。 朔は、彰人の十七歳の弟・晴希が亡くなった水難事故の、ただ一人の生存者だった。事故直後に「俺が晴希を殺した」と繰り返し、事故として捜査が終わったのちに自殺を図り、過去の記憶を失った男。 しかし現在の朔は、「藤代朔」という名を自分のものと思えず、死んだ晴希の名を自分の名前として使っていた。 彰人は自分が晴希の兄であることを隠し、あの日の真相を知るため、朔の記憶探しを手伝うと持ちかける。やがて住む場所の定まらない朔を「夏の終わりまで」という期限つきで自宅に迎えるが、他人には優しいのに自分だけを粗末にして生きる朔を知るほど、五年間抱えてきた憎しみは別の感情へ変わり始める。 死者の名を捨てられない男と、死者の兄であることを明かせない男。 嘘から始まるひと夏の同居と、失われた名前をめぐる現代BL。

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エブリスタ2026/08/10
  • 現在の作品残夏の死神