あらすじ

人類の文明がゆるやかに衰退し、静寂に包まれた近未来。世界のあちこちには、人が生きた記憶や強い感情が実体化した「記憶本」が漂う迷宮都市《遺忘の書庫》が存在していた。 記憶本を修復する「記憶調律師」の青年クラウスは、ある日、書庫の地下深くに佇む不思議な少女フィアと出会う。彼女の手には、表紙も本文も完全な白紙である異例の記憶本が抱えられていた。 「私を……元の持ち主のところへ連れて行ってくれませんか?」 自分が誰のどんな記憶なのかを知るため、クラウスに同行を志願するフィア。旅の途中で二人は、誰かの記憶を書き換えることでしか救えない事件や、忘れることでしか生きられない人々の悲劇に立ち会っていく。 そして二人はまだ知らない。フィアの正体が、クラウス自身がかつて悲しみから逃れるために自ら消し去った、最も大切な人物の記憶そのものであることを――。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/10
  • 現在の作品遺忘の書庫と白紙の少女