あらすじ
人形服作家としてフランスで活躍するアリーヌ・ロジェ。
白いシャツにジーンズという地味な服装を好み、恋とは無縁の生活を送っていた彼女には、誰にも言えない過去があった。
そしてもう一つ――。
四百年以上前、ヴァレス家の祖先には、オクタヴィアン・アリーヌという女性がいた。
彼女が愛したのは、アドリアン・ミュレルという青年。
悲劇に終わった二人の恋は、時を越えて現代へと受け継がれていた。
ある日、アリーヌは人形メーカー・メゾン・セレスト社のドールをきっかけに、アドリアンと出会う。
どこか懐かしく、なぜか心惹かれる彼。
けれどアリーヌは、自分が恋をすることを恐れていた。
そんな彼女が、姉の勧めで仮面舞踏会へ向かう。
蒼いドレスを纏い、仮面の下に隠した素顔。
その夜だけ、アリーヌは昔の自分――オクタヴィアンになる。
「俺のハーミア……一体誰のことだ?」
彼は最後まで、仮面の女性の正体に気づかない。
やがてアリーヌは、失恋したと思い込み、恋を捨てるように人形服作りへ没頭していく。
けれど、運命は二人を再び引き寄せる。
前世の記憶を持たない二人を結びつけるものは、過去なのか、それとも――。
人形服作家として自分の人生を取り戻しながら、今世の自分として恋をする。
これは、二百年の時を越えた恋が、もう一度花開くまでの物語。