あらすじ
【あらすじ】
高校最後の学校祭まで、あとわずか。
緑ヶ丘高校三年生の桐谷武志は、夏の高校野球地区予選敗退を機に、胸の奥にしまい込んでいた「音楽への憧れ」と向き合うことになる。
きっかけは、密かに想いを寄せるクラスメイト・中村美月の一言だった。
「去年の学校祭ライブ、すごく素敵だったよね」
その言葉に背中を押され、武志は親友の三上英人とともに学校祭ライブへの出演を決意する。
しかし、二人とも本格的なバンド経験はない。
ボーカル兼ベースの武志、ギターの秀人、文化祭実行委員のイケメンボーカル神崎浩二、野球部一筋だった努力家ドラマー森川大洋、そしてどこか頼りないムードメーカー佐伯将人。こうして即席バンド「BOOTS」が結成された。
目的はただ一つ。
好きな人に振り向いてもらうこと。
だが、練習は失敗の連続だった。
ボーカルの緊張、メンバー同士の衝突、進路への不安、叶わない恋。それでも彼らは、夏休みの泊まり込み練習や花火、スタジオでの演奏を通して少しずつ絆を深めていく。
そして迎えた学校祭。
予想を超える大成功を収めたライブは、五人の青春を最高に輝かせる。
しかし、その後待っていたのは、全員失恋というあまりにも切ない結末だった。
それでも彼らは立ち止まらない。
進学、就職、浪人――それぞれの未来へ向かう中、卒業を前に武志は一曲のオリジナルソングを書き上げる。
そのタイトルは――『インザポケット』。
失ったものばかりに目を向けていた少年たちが、仲間との時間やかけがえのない思い出こそが人生の宝物だったと気づいていく。そして、後輩の陽菜の存在。
笑って、泣いて、少しだけ大人になる。
高校最後の夏から卒業までを描く、音楽と友情、そして青春の物語。