あらすじ

街のどこかに、探しても見つからない小さな店がある。 その名は――「忘れもの預かり所」。 本当に何かを失くした人だけが、その店へたどり着く。 けれど、そこで預かっているのは財布や鍵ではない。 忘れてしまった大切な人の声。 幼い日に交わした約束。 思い出せなくなった誰かの笑顔。 諦めた夢。 伝えられなかった言葉。 人生のどこかで置いてきてしまった「忘れもの」。 店を訪れた客に、店主は静かに問いかける。 「今日は、何をお探しですか?」 そして、忘れものを返す前に、もう一つだけ尋ねる。 「本当に、思い出してもよろしいですか?」 忘れることには、理由がある。 忘れものを取り戻すことが、必ずしも幸せにつながるとは限らない。 それでも人は、ときに失くしたものを探さずにはいられない。 一話につき、一人の客と、一つの忘れもの。 少し不思議で、ときに切ない、一話完結の連作短編。 そして、多くの忘れものを見届ける店主にもまた―― まだ思い出せない「忘れもの」がある。

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小説を読もう2026/08/10
  • 現在の作品忘れもの預かり所