あらすじ
高校一年生の榊優には、これといって将来の夢がなかった。
警察官を目指す親友・天道剣。
いつもクラスの中心にいる獅波善。
そんな二人と過ごしていたある日、クラス全員が異世界へ召喚される。
善に与えられた天職は【勇者】。
剣は【処刑人】。
そして優だけが――【罪人】だった。
「世界に災いをもたらす忌むべき天職」
そう告げられ、何もしていないまま地下牢へ入れられた優は、そこで鎖につながれた亜人の少女・ユラと出会う。
「私、人間のものだから」
痛めつけられ、涙を採られても、それを当たり前だと思っている少女。
そんなユラに優が言えたのは、たった一つだった。
「ユラは、ユラのものだよ」
その言葉をきっかけに、優は初めて自分の意思で法を破る。
手に入った力は【解錠】。
生きるために覚えたのは【窃盗】、そして【密猟】。
人を助けたいだけなのに。
生き延びたいだけなのに。
優の歩いたあとには、なぜか犯罪の記録ばかりが積み重なっていく。
これは、勇者でも英雄でもない少年が、
【罪人】として異世界を生きていく物語。