あらすじ
人の顔を見ることで、その人物が最も強く抱いている感情が分かる――《真視の瞳》。
その力を持つ公爵令嬢リディアは、幼い頃から人の目を見ないようにして生きてきた。
ただ一人、例外だったのが婚約者である王太子アルベルト。
彼が自分に向ける感情だけは、ずっと知っていた。
――愛情。
だからこそ、王宮の大広間で突然告げられた言葉に、リディアは驚いた。
「お前が好きなのは、俺の顔だけだろう?」
そしてアルベルトは、リディアとの婚約を破棄する。
隣に立っていたのは、王太子妃の座を望む侯爵令嬢セシリアだった。
傷つきながらも婚約破棄を受け入れたリディア。
しかし、その直後から王都では不自然な噂が広がり始める。
やがてリディアは、セシリアの父であるヴァレンティア侯爵が王宮内で密かに勢力を広げ、王家を掌握しようとしていることを知る。
さらに、その陰謀にはリディアの《真視の瞳》までもが利用されようとしていた。
なぜアルベルトは、リディアを傷つけてまで婚約を破棄したのか。
そして、彼が隠していた本当の感情とは――。
王宮を揺るがす陰謀を暴くため、リディアは再びアルベルトと向き合う。
「私を守るためだとしても、私の人生を勝手に決めないでください」
「……分かった。今度は、お前と一緒に決める」
婚約破棄から始まった二人の物語。
陰謀の果てに、リディアは自らの意思でアルベルトを選ぶ。
そして二人は、もう一度、未来を共に歩むことになる――。