あらすじ
世界のトレーダーに「Ichimoku」として知られる、日本発のテクニカル分析――一目均衡表。
その考案者は、細田悟一。
のちに「一目山人」と呼ばれる相場研究家である。
明治に生まれ、大正、昭和という激動の時代を生きた悟一は、相場の値段だけではなく、そこに流れる「時間」に目を向けていく。
コンピューターもない時代。
紙と鉛筆、そして膨大な数字と向き合いながら、彼はいったい何を見つけようとしたのか。
転換線、基準線、先行スパン、遅行スパン、そして「雲」。
やがてその研究は「一目均衡表」という独自の相場理論へと結実し、時代と国境を越えて世界の金融市場へ広がっていく。
相場とは何か。
時間とは何か。
そして「均衡」とは何なのか。
これは、一つのインジケーター誕生の物語。
そして、「一目山人」と呼ばれた男――細田悟一の生涯をたどる物語である。
※本作品は実在の人物・歴史的事実を題材としつつ、資料の乏しい時期の人物描写・会話・場面などに創作を加えた伝記小説です。