あらすじ
魔王討伐のため、新たな勇者が選ばれた。
先代勇者を思わせるほどの力を持つ少年。
だが彼は、魔物を前にすれば足がすくみ、危険を見るだけで帰りたくなるほどの臆病者だった。
それでも、勇者として旅立つことになった。
彼の前に現れたのは、戦う力をほとんど持たない一人の魔女。
頑固で、皮肉屋で、妙に堂々としていて。
自分では魔物一匹まともに倒せないくせに、危険を前にしてもなぜか彼女は先へ行く。
「ちょっと待て! お前が先に行くな!」
「でしたら、勇者様がお先にどうぞ」
「それができたら困ってねえんだよ!」
魔王を倒せるのは勇者だけ。
けれど、その勇者は怖くて進めない。
戦えない魔女に引っ張られ、逃げ腰の勇者は今日も魔王城を目指す。
道中には魔物、厄介事、助けを求める人々。
逃げたい勇者と、放っておけない魔女は、行く先々で騒動に巻き込まれていく。
そして旅を続けるうち、勇者は少しずつ思うようになる。
――君が勇者なら……。