あらすじ
帝都では、人々は「感情を表に出すことを恥とする」風潮が生まれていた。
生まれた瞬間から仮面をつけることが当たり前となり、仮面は単なる飾りではなくなった。
異能者と呼ばれる者たちが結界を張って仮面を固定し、人々は素顔を永久に封じられる。
異能者の一人である日花【にちか】は、今日も管理官鳥屋越傑【とやこしすぐる】の命令に従って次々と赤子に仮面を授けていく。
だが、結界を張るたびに体力を削られる日花は役立たずの異能者として扱われる。
身を挺して日花を庇い、その弾みで仮面を失ったのは書生の青年である真鳥瀬南【まとりせな】だった。
〈登場人物〉
鵜生川日花【うきかわにちか】
仮面に結界を張る異能者。
自己犠牲的で従順だが、外の世界を知ることで自分の意思を持つようになる。
真鳥瀬南【まとりせな】
表向きは、鳥屋越家の書生。
未登録の異能者で、日花を救う。
鳥屋越傑【とやこしすぐる】
帝都異能監察局の管理官。
支配的で冷徹な権力者。
保泉鞠音【ほずみまりね】
異能者の家系の娘。
日花を陥れるために現れ、帝都異能監察局の寵愛を受ける。