あらすじ
白い鍵盤は黄色く染まり、黒い鍵盤は緑に見える。
耳を打つのは旋律ではなく、不協和音。
昨日まで当たり前だった五感は、もう自分のものではない。
成田裕哉は、音楽大学でピアノを学ぶ学生だった。
ある日、彼は事故によって命を落とす。
――そして、目を覚ます。
そこにあったのは、自分ではない身体。
見知らぬ手。
自分のものではない感覚。
成田が入り込んだのは、裏社会に生きる男の身体だった。
戻る場所はない。
帰る身体もない。
狂った世界の中で、成田は自分ではない人生を生きることを強いられる。
これは、自分の身体を失った男が、もう一度「自分」と出会うまでの物語。