あらすじ
あちこち古傷まみれで、そろそろプロとしてのクビが寒くなってきた重松大輔。
契約更新シーズン開始直後、4人目の恋人の田中から、また振られた。
「重松、俺を見てくれなかったよな。」
いつもの振られ方。いつもの弁明。いつもの破局。
……自覚はあるんだ。
高校時代の俺らの後輩、俺が見つけた天才、シュエン・アレーヌが、今でも偶に夢に出る。
俺がエースで、アイツが司令塔。素人だったシュエンは、それでも強かった。
何回も俺らを走らせたロングパス。今なら言える、最高だったぜ。前は少し下手だったドリブル。
俺だけに向けた、爽やかなだけじゃない、照れの混じった笑い顔。忘れられる訳ねぇよな。
だって、いねぇんだもんよ。アイツくらい魅力的な人間。周りに。
そりゃそうか。アイツは今や、バロンドール受賞者で、全盛期だもんな。
酔いが回った。今日も、昔来た、シュエンのメールばっか見える。
夢の中なら、何だって言える。メールでだって送れる。10年も会ってないのに。
シュエン、お前のせいでいつも振られる。お前のせいだ。責任取って、俺もそばにおけ。