あらすじ
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🎐.物語の紹介
晴れわたる空の下で、爽やかな風とさざ波が寄るギアナティアナ諸島。
この島を舞台に、新時代の異世界ファンタジーがはじまります。
出会いがあり、すれ違いがあり、時には戦い、新たな時代で思い悩む。
そんな彼らの物語です。
一介のホテルスタッフでありながら、王国最強の騎士団に所属しているという、一風変わった肩書を持つ十七歳の少年・セト。
そして、この島に観光で訪れた十七歳の少女・チナツ。
ギアナティアナに広がるのは、はじめて見るはずなのに、かつてどこかで見てきたかのような情景の数々。
二人のありようを通じて、空と海のはざまに映るファンタジーをご覧ください。
📗.タイトルについて
タイトルの送りがなは、『リグレス - 空(そら)と海(うみ)の秘跡(サクラメント) - 』。
サブタイトルは『神火(じんか)の破片(はへん)と魔女(まじょ)の遺産(いさん)』。
📖.あらすじ(1).「神に愛されし海」
ここは、「神に愛されし海」に浮かぶリゾートアイランド、ギアナティアナ諸島。
この島々を象徴する王室御用達のホテル、“サンティアラ,スパ・リゾート”で、優雅なひとときを心ゆくまでお楽しみください。
たとえば、広大な敷地を彩る大自然。
たとえば、透きとおるプールと緑地からなる憩いの場、“中央(セントラル)ガーデン”。
ラグジュアリーなひとときをお届けする、水中レストランでの贅沢グルメやプライベート・スパはもちろん、客室には海をそのまま切り取ったかのようなプライベートプール、“天境泉(てんきょうせん)”などもご用意しております。
浅瀬の島一帯をまるごと改装した“コーラル・ラグーン・ヴィラ”にたたずみ、誰にも邪魔されない安息に身を委ねるのもよいでしょう。
ほかにも、ホテルの外に出れば、そこには地元の活気が息づく露店街の賑わいがあり、さらに足を伸ばせば、王室主導の経済特区で時代の最先端をご体験いただけます。
この島ならではの空間が広がるギアナティアナ。
思う存分ご堪能くださいませ。
📖.あらすじ(2)「“すこしふしぎ”な海洋リゾート」
魅力にみちた夢のラグーンリゾート、ギアナティアナ。
ここには、バカンスや日々のしがらみからの解放を求め、各地より大貴族や王族の面々、富豪や新興国の政商など、様々な方々が訪れます。
世界中が注目する憧れの観光スポット、ギアナティアナ諸島。
……なのですが、どうやらこの島は、ただのリゾート地というわけでもないようです。
たとえば、ホテルでまことしやかにささやかれている、とある噂。
道をゆくと見かける、虹色に輝くオブジェクト。
路地裏で風にはためく、異様な数の旗や風車。
経済特区の名のもとに、世界の情報と科学技術の粋が集まる異例のインフラ・ストラクチャー。
一方で、本土のマハルガリア王国とは明らかに異なる信仰や風習のもとに生きる人々もいます。
そして、おとぎ話に登場する怪物……“幻獣”を見たという人も。
そんな“すこしふしぎ”の中心には、いつもこの言葉があるのです。
“リグレス”。
📖.あらすじ(3)「燐晶と書いて“リグレス”と読む」
リグレスとは、この世界……「ハルミア」の時代を変えた文明の利器。
その出現は、尽きない水を携帯し、塩や油がとめどなく手に入るという、飽和の時代の幕開けを意味していました。
小さなリグレス瓶に垂らした一滴の水が、プールをあふれさせるほどの水を生みます。
手のひらサイズのリグレス瓶に、パンを百個焼けるほどの小麦粉を貯蔵できるんです。
剣で斬り結び、魔法が飛び交う戦乱の時代を経験した後、こんな奇跡を起こす道具が突然現れた世界が、本作の舞台。
便利ですこしふしぎなリグレス。
人々は日々の暮らしの中で、その“ふしぎ”を受け入れ、ごく自然にリグレスを使って暮らしています。
ギアナティアナには、そのリグレスの仕組みを解明するために働く人々……燐晶力学の研究者たちも滞在しているとか……。
📖.あらすじ(4).「魔法を失った後の世界」
この世界には、かつて「魔法」という神秘の力が存在しました。
それは人々の手から失われ、すでに長い年月が経っています。
神秘の力を失った世界に突然現れた新技術……それがリグレスだったのです。
ただ、リグレスの出現によって、困ったことも出てきました。
その中身はいずれ語られるとして、大きな困ったことを一つ。
この「すこしふしぎ」に気づいたのは、どうやら人間だけではなかったようなのです。
その存在は、とあるおとぎ話の一節で、すでに語られていました。
幻獣(げんじゅう)・「空の獣(からのけもの)」。
きれいな結晶に目がない幻獣たちが、人々を押しのけ、リグレスを食べにやってくる……とか。
ですが、ご安心ください。
もし、そんな「すこしふしぎ」に遭遇しても、皆様に危険が及ぶことは何ひとつございません。
万が一、獰猛な幻獣がホテルに現れたとしても、ゲストの安全のため、今日も彼が「仕事」をしてくれます。
副総支配人の彼が、ギアナティアナの平穏を守る騎士として、薄氷色(はくひょういろ)の片刃(シミター)を振るい、空の獣を一刀両断。
その彼こそが、本作の主人公・セトです。
むしろ、ゲストの皆様には、ちょっとした非日常のスリルだけを残しつつ、優雅なひとときに花を添えてくれることでしょう。
そんな折、島に訪れた少女・チナツとセトとの出会い。
それをきっかけに、二人はこの激動の時代を生んだうねりそのものに巻き込まれていくことになります。
時代のうねりは一瞬で世界を巻き込み、人々に様々な影響を与えました。
望む、望まないに関わらず……。
これは、そういう時代に生まれ落ちた、少年少女の物語です。
📖.あらすじ(5).「颯爽と生きるために」
健やかな風のそよぐ、すこしふしぎな島で出会ったセトとチナツ。
彼らは、これからを颯爽と生きるために、それぞれの“ありよう”のはざまで、自らの生き方を選んでいきます。
そんな彼らの情景をぜひご覧ください。
🌿.主な登場人物
・セト … 本作の主人公。十七歳の少年。マハルガリア王家直属の金月騎士団に所属する少年で、リゾートホテル「サンティアラ,スパ・リゾート」の副総支配人を務める。腰の剣帯(ベルト)に差した薄氷色の柄がトレードマーク。「片刃(シミター)のガーネットツール」と呼ばれる。
・チナツ … 本作のもう一人の主人公。サンティアラに宿泊するVIPゲストで、大企業ブライス社の令嬢。こざっぱりとした屈託のないふるまいと、持ち前のやわらかな笑顔で周囲と打ち解ける「良い子」だが、今の自分のありように鬱屈とした思いを抱えている。文章を書くのが好きで、趣味は三行日記。筆まめな性格。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
『リグレス』を、どうぞよろしくお願いします。