あらすじ
三十万円を三千万円にした。
借金は二千八百四十六万円。天城廻の人生は、もう助かっていた。あとは席を立つだけだった。
それが、できなかった。
謎のディーラー・ネマとの勝負で「残りの人生」まで失った廻は、異世界の奴隷競売台で目を覚ます。
そこで手に入れたのは、条件・相手・賭け金を決めると、勝率が数字で見える能力《勝率眼》。
勝率〇・七パーセントの勝負も、条件を書き換え、人間の欲を利用すれば九十二・四パーセントまで引き上げられる。廻は銅貨七枚を元手に、数字を忘れない少女リラを救い、イカサマ賭場を潰し、迷宮株、国家、寿命、記憶、そして未来までも賭けて成り上がっていく。
勝率最強。撤退能力ゼロ。
彼の唯一にして致命的な欠点は、勝ったあとも絶対にやめられないことだった。
勝つ。儲ける。英雄になる。そして最後には、すべてを賭けて破産する。
破産するたび、廻はまた別の異世界へ送られる。それなのに、捨てても必ず戻ってくる黒い硬貨と、赤髪の少女だけが、なぜか彼を追ってくる。
これは、どんな勝負にも勝てる男が、「最後の一勝」から降りることを覚えるまでの物語。