あらすじ
「お前はもう必要ない。老兵は戦場から去れ」
王国軍で三十年、数々の戦場を勝利へ導いてきた宮廷軍師アーベル・グランツは、若き将軍たちの台頭とともに「時代遅れの老害」として宮廷を追放された。
最後に与えられたのは、魔物と盗賊に荒らされ、税収も兵力もほとんどない最果ての辺境領。
普通なら、そこで人生を終える。
だが、アーベルには誰にも知られていない秘密があった。
彼は三十年間の戦争で培った知識だけではない。
兵站、築城、諜報、外交、農業、交易――戦争に勝つために学んだすべての知識を持っている。
「兵が弱い? なら、弱い兵でも勝てる戦場を作ればいい」
「金がない? なら、金が生まれる領地を作ればいい」
「魔物が多い? ……なら、魔物すら利用する」
これは、捨てられた老軍師が一つの辺境領を拠点に、国そのものを作り変えていく物語。
そして彼はまだ知らない。
自分を追放した王都が、数年後、彼の領地に救援を求めることになるとは――。