あらすじ

本日の侵入者――ゼロ。  昨日もゼロ。先月もゼロ。  俺はダンジョンである。  正式名称は《奈落の千層迷宮》。最深部まで千階層、魔物三万種、  かつては「世界最後の迷宮」とまで呼ばれた大迷宮だ。  ……百年前までは。  調べたら原因はすぐ分かった。部下が張り切りすぎて、  第一階層にオーガ二十体と千本毒針廊下を設置していた。  だが難易度は下げない。ダンジョンとしての沽券に関わる。  ならば話は簡単だ。 「冒険者を強くすればいい」  こうして俺は入口に酒場を生やし、店主となった。  飯を出し、装備を渡し、情報を渡し、傷を治して、また送り出す。  記念すべき最初の客は、所持金・銅貨二枚。  昨日パーティーを追い出されたばかりの、あらゆる能力値が最低の新人だった。  ただ一つ、《迷宮適応率》を除いて――測定不能。  攻略者は、自分で育てる。  千年待ちくたびれた大迷宮の、自給自足型ダンジョン経営がはじまる。

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カクヨム
カクヨム2026/08/10
  • 現在の作品ダンジョンの俺、酒場を生やし冒険者を育成する