あらすじ
「同志諸君! 友愛公社フラタリアに、虐げられる者はもういない――!」
割れんばかりの歓声が、演壇の下から突き上げてくる。俺は笑みを崩さず、片手を掲げて応えた。
(心にもないことを、よくもまあこうスラスラと言えるようになったもんだ)
気がつけば、虐げられていた魔物たちに担がれて、国のトップに収まっていた。
経緯を聞かれても困る。二度と搾取される側には回らない――それだけを胸に、気づけばここまで来てしまっていた。
掲げる理念は『平等』。
その実、俺が頂点に立ち続けるために作りあげたシステムである。
側近たちの忖度は俺の想定を追い越して勝手に暴走し、粛清劇は美談にすり替わり、公式史はいつも都合よく書き換えられる。それでも国は回っていく――俺という「議長」の知らないところで。
魔王? 違う。俺はただの議長だよ。
以前書いていたものをベースに書き直している物です。