あらすじ
大学一年、最初の夏休み。何の予定もなかった草野浩は、駒場の研究室で一箱の資料を整理するアルバイトを引き受ける。
東京。台北。バンコク。ウルク。
何千年も離れた都市の資料を集めていたのは、台湾人の都市研究者・林若晴だった。
その数日後、若晴の妹・林以安が東京へやってくる。
――姉と連絡が取れない。
少しだけ事情を知るつもりだった。だが浩はやがて東京を離れ、台北へ、バンコクへ、そして人類最古級の都市ウルクへ向かうことになる。
都市を予測するAI。予測によって変わっていく街。
家族、記録、土地、そして何千年も前から都市で暮らしてきた人間たち。
世界の秘密を探していたわけではない。
ただ、面白そうだったから首を突っ込んだ。
何者でもない十九歳が、他人の人生と世界の都市を歩く、一夏の国際冒険小説。