あらすじ
世界には、純粋な個人戦闘力によって選ばれた十人の強者がいる。
第一位《龍皇》。
第三位《剣王》。
そして、未だ正体すらまともに知られていない《無冠》。
彼らはそれぞれ、その強さと戦い方を象徴する《冠》の名で呼ばれていた。
辺境の宿屋で暮らす少年レインは、ある日、世界第三位《剣王》ガルディア・ヴァンの戦いを目の前で見る。
速すぎて、何をしたのかすら分からない。
自分が相手なら、戦いにすらならない。
それほど圧倒的な強さを前にして、レインの頭に浮かんだのは恐怖でも憧れでもなかった。
――どうやったら、こいつに勝てる?
剣で届かないなら、剣にこだわる必要はない。
相手の得意な戦い方で勝負する必要もない。
攻撃が見えないなら、見えるようになる方法を考えればいい。
そうしてレインが手にしたのは、二本の短い武器――《双棍》。
剣王ほど剣は上手くない。
魔王ほど魔法も強くない。
龍皇のような圧倒的な身体能力もない。
それでも、相手を観察し、考え、負けた理由を一つずつ潰しながら、レインは自分より強い者たちを攻略していく。
負けるのは嫌いだ。だから考える。
次は、どうすれば勝てる?
これは、何者でもなかった一人の少年が、双棍を手に世界最強の十人《世界冠位》へ挑み、その頂点を目指していく物語。