あらすじ
「では、今年の姫当番を決めます」
大学の同人サークルに残る、妙な恒例行事。
くじで選ばれた一人が女装し、イベントで“姫”として新刊を売る。
地味な大学生・瀬尾直也は、その当たりくじを引いてしまった。
一日だけ耐えれば終わる。そう思っていた。
しかし、服を選ばれ、化粧をされ、「ゆめ」として会場に立った直也を待っていたのは、好奇の目だけではなかった。
シャッター音が鳴る。
直也を目当てに列ができる。
そして、サークルの本が売れていく。
次のイベントを前に、問い合わせが届いた。
「姫は、また来ますか?」
恥ずかしい。怖い。勝手に写真が広がるのは嫌だ。
それなのに直也は、次に着る服を考え、蓮見のカメラになら、もう一度きれいに撮られたいと思ってしまう。
周囲が求める“姫”と、自分が作りたい“ゆめ”は同じなのか。
嫌ならやめればいい。
けれど、やめたくないという気持ちまで、誰かに決められたくはない。
くじで始まった役を、自分の選択に変えていく。
女装×同人イベント×SNS。
「見られること」に心を奪われた大学生の、青春エンターテインメント。