あらすじ
一か月前の雨の日、美濃矢町の町外れで男性の遺体が見つかる。その背中に刻まれていたのは、三十年前に謎の失踪を遂げた祖父・村上智則と同じ特殊な刺青だった。
真相を確かめるため、孫娘の緑川美奈子は、当時美濃矢警察署で事件を担当していた元刑事・前沢達也のもとを訪ねる。前沢は遺体写真を見るや絶句し、かつて町を牛耳っていた闇の組織「クロツグミ」の存在と、刺青に隠された暗号の秘密を明かす。一か月前に死んだ男は、三十年間姿を隠して一人で戦い続けていた智則本人だったのだ。
祖父の強い意思を知った美奈子は、残された刺青の写真と母から教わった手まり唄を重ね合わせ、三十年間誰も解けなかった暗号を読み解くことに成功する。暴かれた証拠によってクロツグミは一網打尽となり、三十年の時を経て、祖父が命をかけて遺した道しるべが結実する。