あらすじ
西暦2324年。かつて一億人を超えていた日本の人口は、長く続いた少子化によって大幅に減少していた。
医療、介護、物流、行政――不足する労働力を補うために導入された人工知能は、やがて人間と同じ身体を持つ「人工人」へと発展。三百年かけて社会の空席を埋め続けた結果、今では自然に生まれた人間と人工人が、区別されることなく同じ社会で暮らしている。
そんな世界で、ごく普通の人間として育った25歳の澪に、ある日異変が起こる。
他人に触れられた場所だけが赤く腫れるのだ。
しかも、症状が出る相手と出ない相手がいる。
原因を調べる澪の前に浮かび上がってきたのは、幼いころから毎年受けていた正体不明の「予防接種」と、真夏でも決して肌を見せなかった母の存在だった。
そして医師から告げられる、存在するはずのない診断。
――人間アレルギー。
人間が減ったから、人工人を作った。
では、その二つの境界がなくなったとき、次に生まれてくるものは何なのだろう。