あらすじ
転生も、異世界も、魔法の救済もここにはない。
東京大学医学部。そこは、人間がただの組織と器官の精密な集積に過ぎないことを教える場所だ。
僕の名前は犬神江戸(いぬがみ えど)。完璧な成績と端正な容姿、そして将来を約束されたエリート医学生という仮面の裏で、僕は「怪物」を飼っている。
名門・犬神家において、愛は言葉で語られるものではない。それはメス(スカルペル)のひと振りと、皮膚を貫く縫合糸によって示されるものだ。
僕の傍らには、痛みと支配を渇望するヤンデレの婚約者、朱里(あかり)がいる。僕たちは地下室を禁じられた実験室へと変え、血の混じり合う「至高の愛」を追求していく。
しかし、腐敗の臭いが警察の鼻を突き、僕たちの執着が互いを喰らい尽くし始めたとき、医学的天才と狂気の境界線は崩壊する。
これは、人間の皮の下に隠された、決して暴いてはならない愛の解剖記録である。