あらすじ
三十二歳、教員。ある夜、目を覚ますとそこは見知らぬ荒野だった。言葉は通じず、頼れる者もいない。かつて教室では誰よりも先が見えていた男が、この世界で最初に就いた仕事は、冒険者ギルド最底辺の「ドブさらい」だった。
チートもレベルアップもない。剣も魔法も使えない。あるのは、生徒に向き合ってきた十年の経験だけ。それすらも、この世界では何の役にも立たないはずだった——奴隷市場で、文字が読めず「欠陥品」として捨て値で売られていた少女と出会うまでは。
焚き火を前に、教員時代の癖でつい語ってしまった科学の話。それを聞いていた少女の口から、あり得ない威力の魔法が生まれる。
「欠陥」とされた子どもたちを、誰も知らない教え方で「賢者」に育てていく——地味で不器用な、けれど誰よりも本物の教育者の物語。