あらすじ
十七年、行方不明だったデルフォス王国の王女――リリアナを無事国に連れ帰ることに成功した騎士――レルムには、国の中でもごく一部の人間にしか知らされていない秘密がある。
「私の体は、昼夜で性別が入れ替わる呪いがかけられています」
南方の小さな村で、村医者の娘として育ってきたリリアナが、ペブリムによく懐き、レルムに淡い想いを抱いていることは理解している。
二人が同一人物だと言う事実を開示した時の胸中は穏やかでは無かった。しかし、仕える主に秘め事はできない。
彼がなぜ、奇異な呪いを身に受けているのか。
彼を敵視し、挑発を続け、深手を負わせたリズリーとの関係はなんなのか。
彼が長年背負い続けている枷とは?
それらが開示されていく時、物語はまた一つ、ゆっくりと動き始める。