あらすじ
平凡な人生を終えた男は、死後の世界で自分の人生を評価されることになる。
そこで知らされたのは、誰もが持っているという「徳」と「業」の存在だった。
善行を積めば徳が増え、悪行を重ねれば業が増える。
そして徳を一定以上貯めることで、次の人生に持ち越せるスキルを購入できるという。
「……俺の徳、少なくない?」
平凡なサラリーマンだった主人公の徳は、決して高くなかった。
人を殺したわけでもない。
大きな悪事を働いたわけでもない。
ただ、面倒だからと誰かを助けなかった。
自分には関係ないと見て見ぬふりをした。
得をするために人に親切にした。
そんな小さな行動の積み重ねが、彼の徳と業を決めていた。
そして主人公には、もう一つだけ特別な力が与えられる。
それは――人や物に宿る「徳」と「業」を見ることができる能力。
「この人、悪人に見えるのに徳が高い……?」
「逆に、聖人みたいな顔をしてるこいつは……業が、とんでもない?」
見えるようになった世界は、今まで知っていた世界とはまるで違っていた。
さらに主人公は気づく。
徳は、ただ来世を良くするためだけのものではない。
貯めた徳を使えば、スキルを購入できる。
剣術。
魔法。
鑑定。
身体強化。
錬金術。
そして、普通では決して手に入らない特殊スキル。
ただし、強力なスキルほど必要な徳は多い。
だから主人公は決めた。
「次の人生では、もっと徳を積もう」
一度目の人生では小さな善行を。
二度目の人生では人を救い。
三度目の人生では国を救う。
そして何度も生まれ変わりながら、少しずつ徳を積み、スキルを増やし、能力を高めていく。
だが、輪廻を繰り返すうちに主人公は世界の秘密に気づいていく。
徳と業は、単純な善悪ではない。
善意で行ったことが業になることもあれば、悪人にしかできない善行もある。
そして、何百年もの間、転生を繰り返してきた者たちの中には――人間の想像を遥かに超えた存在がいた。
「俺は何回、生まれ変われば最強になれる?」
徳を積み、業を減らし、スキルを手に入れ、何度でも転生する。
これは、一人の男が輪廻の果てに「最強」という答えへ辿り着く物語。