あらすじ
魔法学校を卒業した少年アレン・ライオネット。
進路さえ決められないまま迎えた翌朝、故郷グリムフォードは突如として骸骨の怪物に襲われ、昨日までの日常は一夜にして崩れ去った。
幼なじみのマナ、親友のドレイヴと逃げるアレンの前に現れた、謎の閃光。
そして意識の果てで彼が目にしたのは――無数の鎖に封じられた、巨大な黒い扉だった。
目覚めたアレンの右手には、それまで存在しなかった紫色の紋様が刻まれていた。
〈雷鳴の刻印〉。
世界に三十三存在すると伝えられる「刻印」は、人の力を遥かに超えた異能をもたらす。
だが、その力には必ず〈呪縛〉と呼ばれる代償が伴う。
雷鳴の刻印が蝕むのは、持ち主の神経。
守るために力を使うほど、アレンの指から少しずつ感覚が失われていく。
それでも、故郷を滅ぼした怪物の正体も、なぜ自分に刻印が現れたのかも分からない。
やがて帝国軍の侵攻が始まり、古代遺跡までもがアレンの刻印に呼応する。
なぜ故郷は襲われたのか。
なぜ刻印はアレンを選んだのか。
三十三の刻印とは何なのか。
そして――あの黒い扉の向こうには、何が封じられているのか。
マナ、ドレイヴ、刻印を研究するケイムたちとともに、アレンは戦いの中へ身を投じていく。
力を使えば、大切なものを守れるかもしれない。
だがそのたびに、自分自身が少しずつ壊れていく。
それでも、もう誰も失いたくない。
これは、望まぬ力を得た少年が、その力に決められた運命ではなく、自らの意思で未来を選ぼうとする物語。