あらすじ
死ぬまで、あと100日。
37歳の元エリート回収官は、横領の濡れ衣を着せられ、財産も地位も失った。
さらに、何者かが偽造した契約によって寿命まで奪われ、残された時間はわずか100日。
ブラックリストに載った彼は、寿命を買うことも、誰かから譲り受けることもできない。
生き延びる方法はただ1つ。
死にかけた依頼人を救い、正規の成功報酬として寿命を稼ぐことだった。
そんな彼と事務所を開いたのは、世界で一番会いたくなかった女――犬猿の仲の元妻。
彼女は寿命契約専門の弁護士であり、彼の無実を信じる数少ない人物でもある。
顔を合わせれば悪口。
私生活では最悪。
だが仕事をさせれば、誰よりも互いの思考を理解している。
潰れかけた酒場の2階に、民間寿命清算代理所〈明日屋〉を開いた元夫婦。
彼らのもとへ持ち込まれるのは、72時間以内に命を奪う「死の請求書」だった。
金が欲しい。
地位が欲しい。
愛されたい。
復讐したい。
依頼人が語る願いが、本当の欲望とは限らない。
死の請求書を破る鍵は、本人さえ認めたくない欲望と、その奥に隠された契約の罠にある。
元夫が欲望の痕跡を読み、元妻が証拠をつかんで契約を覆す。
武器になるのは、万能な魔法ではない。
大人の知恵と交渉術、専門知識、そして詐欺すれすれの作戦だ。
人を救えば、寿命と金と評判が手に入る。
顧客を奪うたび、彼を追放した寿命銀行の牙城が崩れていく。
これは余命100日の男が、最悪の元妻と最高の仕事をしながら、他人の明日と自分の人生を取り戻す物語。