あらすじ

神戸の学生寮で一人暮らしを始めた「僕」は、洗濯さえ億劫になり、わずか一週間で実家へ逃げ帰ろうとする。  洗濯物を詰め込んだ、異様に膨らんだカバンを抱えて向かったのは、寮からほど近い西元町駅だった。  湾曲したホームの先には何があるのか、ここからでは見えない。  それでも線路は確かにつながっている。  そんな西元町駅の姿に、自分の人生を重ねながら、僕は電車を待つ。  やがて青と薄いクリーム色の電車がホームへ滑り込んでくる。  車両とホームのあいだには、人の足を丸ごと飲み込めそうなほどの隙間があった。 黄色い警告ランプが明滅する。 その光を見つめながら、僕は思う。 これから何か、奇怪なものが現れる――と。

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カクヨム
カクヨム2026/08/09
  • 現在の作品西元町駅、膨らんだカバン