あらすじ
四十六歳、独身、無職、借金三百万。人生詰みかけの熊沢剛が掴んだ最後の求人は、月三十万+完了報酬で総額二千万の治験モニターだった。
内容は「若返り施術」。ただし契約書の隅に小さく一行──『被験者の身体は女性型として再構成される』。
かくして俺は、女子大生になった。それも、出るところだけ設計図を三回引き直したような、わがままボディの。
女のフリをする気は一切ない。口は悪いまま、目つきも悪いまま、男どもを遠ざけて、四年間ひっそり金だけ受け取って卒業する──完璧な計画だった。
だが世間はなぜか、粗暴な俺を「サバサバ系の姉御」と誤読する。メシに誘えばデート扱い、相談に乗れば「俺だけに優しい」、全員に平等なら「本命は俺」。俺が入るサークルは、勝手に恋に落ちた男たちのせいで、次々と崩壊していった。
いつしか学内に轟く異名──「クラッシャー・クマザワ」。
ふざけるな。俺は何もしてない。……だがその力、悪徳サークルに向けたなら? そして俺には、二十八年前、サークルクラッシャーに青春を壊された過去があった。
これは、壊された男が最強のクラッシャーになり、壊れたものを直していく話である。