あらすじ
「『こうげき』——。勇ましいのは、名前だけじゃないか!」
鉱山領を治める伯爵家の三男、デルム。
彼が10歳の鑑定の儀で授かったスキルは、『こうげき』だった。
ところが、剣を振っても、弓を射ても、何の力も発動しない。
8年にわたってあらゆる方法を試した末、デルムは立身出世を諦め、せめて家族の役に立とうと家業の手伝いに励んでいた。
そんな彼のもとへ、ある日、見合いの話が持ち込まれる。
相手は、完璧な淑女として育てられた辺境伯令嬢リーゼティア。
デルムには不釣り合いに思えるほど立派な令嬢だったが、彼女もまた、『うかべる』というハズレスキルを授かっていた。
触れたものを、ほんの少しだけ浮かせる力。
一度も発動したことのない、正体不明の『こうげき』。
一人では役に立たなかった二つの力は、見合いの席にて初めて噛み合う。
婚約者となった二人は、互いの家から独立し、自分たちの力で生活を築くことに。
スキルの使い方を検証し、仕事を探し、時には危険な魔物へ挑みながら、二人だけの居場所を作っていく。
これは、役立たずと呼ばれた二人が、力を合わせて空へ道を作る物語。