あらすじ
実家を飛び出し、王都アルシスで文無し寸前に追い詰められた武家の令嬢、エレナ・ヴォスコット。
生活費のために家宝の指輪を売ろうと訪れたのは、裏通りにひっそりと佇む古道具屋『三日月堂』だった。
そこにいたのは、スーツを着崩し髭を生やした店主、オーウェン・ハーヴェイン。
借金取りとのトラブルをきっかけに、エレナは彼の破格の提案を受け、新月堂の住み込み用心棒として雇われることになる。
だが、この冴えない店主には大きな秘密があった――。
資産家邸で起きた「凶器の消えた刺殺事件」。
密室に近い現場と全員のアリバイを前に外部犯説が強まる中、オーウェンは現場の些細な「物の傷や違和感」から、静かに真実を暴き出していく。
「道具ってのはさ、嘘をつかないんだ」
肉体の強さではなく、圧倒的な観察眼と「物の声を聞く」静かな強さを持つオーウェン。
持ち込まれる怪事件を解決していくたび、エレナは彼が隠す底知れぬ凄みと、背負った過去に少しずつ惹かれていく。
不器用で勝ち気な用心棒令嬢と、一癖ある店主が織りなす、本格ミステリ×異世界ファンタジー!