あらすじ
ヴェイル・アスフォルムは、キャラが死にまくる鬱ゲーRPG『煉獄聖騎士アルベルト』の悪役令息に転生した元サラリーマンである。原作では今日、地下で地脈の封印が破れ、領地が壊滅する。このままだと許嫁のヘラも、聖女ミレイユも、メイドで元暗殺者のリアナも死んでしまう。
ヴェイルは「俺のいない世界で、俺を忘れて、君らしい幸せをつかんで欲しい」と親しい彼女たちに手紙を送り、己の命を犠牲に地脈の暴走を封印する。
全てを救い、死んだ――はずが、なぜか霊体となって目を覚ます。誰にも見えず、声も届かないが、災害で壊れた土地に干渉して癒せる存在に!?
一方、ヴェイルの死を嘆き悲しんだ3人も、重い感情を抱えたまま動き出す。許嫁は「ヴェイルの名を国史に刻む」と国家規模の政治工作を始め、聖女はヴェイルを信仰の対象として祭り上げ、メイドは「ヴェイル様を追い詰めた人間は殺す」と暗躍を始める。
「そんなことしないでいいから! 俺のことなんて忘れていいから!」
そう届かない声で叫ぶも、誰ひとり忘れてくれない。おまけにコソコソ進めていた領地の復興作業まで『ヴェイル様の奇跡』として語り継がれ、領民たちによる神格化まで留まることを知らず――!?