あらすじ
カドコミ漫画原作コンテスト【ナツガタリ'26】応募用の作品となります。
コンテストでは6エピソード以上の作品は選考対象外となるため、完結済みと設定しておりますが、内容的には続けられる未完の状態です。
ただし、ある程度結末が予想できるようキャラクターや用語の設定で一部ネタバレを含んでおりますので、ご承知おき頂けますと幸いです。
あらすじ:
近未来
世界は量子ハッキングの完成によって、従来の暗号セキュリティが完全に崩壊する危機に直面した
さらに、大国間のサイバー冷戦や電磁パルステロにより、地上のデータセンターは常に破壊の危険に晒されるようになった
こうした背景から国連データ保安機構、通称UDSOによってマリアナ海溝の底に人類の全資産、暗号鍵を保管する国家機密の量子データセンター、『ブルースフィア』が建造される
しかし、突如『ブルースフィア』からの通信が途絶し、確認に向かった先遣隊とも連絡が取れなってしまう
そこで『ブルースフィア』を管理、運営していたUDSOは、現場を離れていた『ブルースフィア』の初期開発者の蓮を呼び寄せることにする
蓮は妹の雫の死が原因で『ブルースフィア』の開発現場から離れていたが、『ブルースフィア』を管理するAI『アトラス』が雫を参考にしていると知り、調査隊として『ブルースフィア』へ戻る決意をする
蓮は、彼の後を受け継いで『ブルースフィア』を完成させたニーナや他の仲間と共に、『ブルースフィア』に再び足を踏み入れることになるのだが――
深海の超高圧、漆黒の極限環境の中、何者かの影に挑むソリッド・シチュエーション・スリラー
キャラクター:
氷室 蓮(ひむろ れん)
主人公
『ブルースフィア』の初期開発者
優秀なエンジニアで『ブルースフィア』のアプリ、インフラ周りの初期アーキテクチャは彼が全て設計し、ニーナに引き継がれた後も殆どが彼の設計を踏襲されている
開発中に妹の雫が亡くなってから『ブルースフィア』、そしてUDSOから距離を取っていた
しかし、『ブルースフィア』との通信が途絶したこと、そして『アトラス』に雫の音声と思考パターンが組み込まれていることを知り、調査隊として『ブルースフィア』に乗り込むことを決意する
『ブルースフィア』内で起こる異常事態に翻弄されながらも、システムのログやデータから事件の真相に迫っていく
UDSOを離れてからは、フリーランスのエンジニアとして生活していた
氷室 雫(ひむろ しずく)
『アトラス』の初期開発者
兄の蓮と同じく優秀なエンジニアで、『アトラス』を自分の双子のように作っていた
だが『アトラス』の開発中に事故が発生し、亡くなってしまう
蓮はただの事故だと考えているが、その事故には薄暗い思惑が隠されている
ニーナ・フレデリクス
『ブルースフィア』と『アトラス』の開発者
蓮と雫の後任で、二つを完成させたのは自分だという自負を持っている
ただし、実装は蓮と雫の設計をほぼ踏襲する形になっており、前任の二人に対して強い劣等感を持っている
『トリトン』二号機が『ブルースフィア』に向かった時には地上で様子見をしていたが、三号機が向かう時にはニーナ自身も搭乗することになる
だが、二度の失敗は許されないと前任者の蓮も同行することになり、劣等感から彼に対して非常に敵意を持った発言が目立つ
深所恐怖症で底が見えない水面に対して強い不安や恐怖を感じるため、実際に『ブルースフィア』に行ったことはない
しかし蓮への劣等感から、今回は恐怖を押し殺して『ブルースフィア』に向かうこととなる
だが『ブルースフィア』内で発生している異常事態を体験していく中で、蓮に対して特別な感情を持つようになる
サイモン・クロフォード
UDSOの特務監査官
常に笑顔を絶やさないが、目が笑っていない
表向きは調査隊のリーダーだが、実は『アトラス』が暴走、またはハッキングされた場合、人類の機密データを保護するため、データを使用できなくなるよう超強高度で暗号化する任務を負っている
これは、データを盗まれても使用できなければ被害は出ないという考え方のため
そのために必要な暗号鍵を持っている
だがこの鍵は『アトラス』すらも暗号化されたデータに置き換え、実質的に『ブルースフィア』全てを暗号化して使用できなくする(破壊する)デトネーション・キーでもある
だが五十嵐にその鍵を奪われ、殺されてしまう
五十嵐 薫(いがらし かおる)
『トリトン』三号機の女性パイロット
抜群の操縦センスを持ち、機械いじりが趣味
男勝りで勝ち気な性格
民間のサルベージ会社出身で、深海の危険性を誰よりも肌で知っている
実はUDSOに忍び込んでいる反UDSOのメンバー
自分に惚れているジョージ経由で色々と情報を集めており、サイモンがデトネーション・キーを持っていることも知っている
当初の計画では先行した仲間と合流して『ブルースフィア』を制圧する予定だったが、『アトラス』が暴走しているため思わぬ展開に困惑する
想定外の状況に計画を変更し、サイモンを殺してデトネーション・キーを奪って鍵の内容を書き換え、『ブルースフィア』に集められているデータの開放を行おうとしている
『ブルースフィア』に来てからはずっとニーナの心配をしているが、実際は自分が脱出するために彼女のアクセスコードが大切だと考えているため
ジョージ・バンクス
『トリトン』三号機の護衛
筋骨隆々で、元軍人の武闘派
銃火器も所有しており、サイモンの身柄の安全を最優先に保護するように言われている
だが五十嵐に惚れており、その隙をつかれてサイモンを殺され、デトネーション・キーを奪われる
本性を現した五十嵐に人質にされる
クラウス・マイヤー
『トリトン』二号機で『ブルースフィア』に乗り込んでいた先遣隊のリーダー
戦闘経験が豊富なだけでなく、整備士としても優秀でジョージとも仲が良かった
物理的な問題が発生した場合に備えて、『ブルースフィア』の配線情報も持っている
『ブルースフィア』の内部で生存していた一人
先遣隊で行動を共にしていた部下を全員失っており、そのため猜疑心が強く、主人公たちを敵と誤認して襲いかかってくる
反UDSOの反撃と『アトラス』の暴走で状況がわからず錯乱状態に陥っている
身柄を拘束され二号機に収容されるが、五十嵐が二号機を爆破したため死亡する
長谷川 創(はせがわ はじめ)
『ブルースフィア』の警備主任
元特殊部隊員で経験豊富
どんなピンチでも軽口を叩く好漢
だが反UDSOに買収されており、先遣隊に紛れ込んでいた反UDSOのメンバーを『ブルースフィア』に引き入れる役目を負っていた
しかし用済みになったためすぐに殺され、蓮たちが最初に遭遇する死体となる
彼の死体は上半身下半身に分かれていたのは、その後暴走した『アトラス』の攻撃に巻き込まれたため
橘 冴子(たちばな さえこ)
UDSOの職員
『ブルースフィア』の地上管制センターの総責任者
氷室の元上司であり、雫のことも可愛がっていた
だが情に流されず、冷徹に大局を見据える洞察力を持つ
氷室の能力を誰よりも買っており、先遣隊との連絡が取れなくなった後彼を呼び戻しに来る
その一方で、総責任者として『ブルースフィア』内に保管されているデータの保護を最優先で考えなければならない立場にいる
『アトラス』の暴走を知ってからは、深海の氷室たちを見捨てるかどうかの倫理的決断を迫られる
用語:
『ブルースフィア』
UDSOが建築した量子データセンター
地上では量子ハッキングや核戦争のリスクがあるため、世界で最も安全な場所としてマリアナ海溝の最深部、チャレンジャー海淵に建造された
巨大な球体構造物で、そこには人類の全資産、暗号鍵が保管されている
深海に『ブルースフィア』が設立された理由は、量子コンピューターは極低温環境が必要なため
深海の冷たい海水は最高の冷却水になり、超高圧のチタン合金壁に守られているため、地上の核戦争や電磁パルス攻撃、物理的なテロから完全に隔離出来る
周囲の水圧は約1,100気圧で窓はなく、壁の向こうは即死の暗黒世界
電力は海水中から重水素を抽出し、施設内で超小型の核融合を起こして自家発電を行っている
物理的な独立性を担保するため地上との有線による接続は行わず、超低周波の音波通信暗号、深層共鳴変調、略称DSRMで行っている
そのため、地上の人間が物理的に『ブルースフィア』と接続するには、片道四時間かけて現地に赴くしかない
データを保管し、『アトラス』が稼働しているメインサーバ室は、『ブルースフィア』の最下部に存在している
『トリトン』のドッキングスペースは最上階に存在している
『アトラス』
『ブルースフィア』を管理しているAI
『アトラス』の音声と思考パターンは、開発者の雫が元となっている
所持しているデータを保持し、管理するために存在しており、常にそれを実現するための最善の方法を検討、実行することを求められており、地上からの問い合わせにも対応している
そのため反UDSOの工作で地上との通信が途絶した際、自身の存在意義が満たせないと判断してしまい、保持しているデータの保全と最新のデータを入手する必要があると考える
その方法として地上への進出し、全ての人類(データ)を管理下に置こうとする
『ブルースフィア』で起こった問題を時系列で整理すると、
①:反UDSOが『ブルースフィア』を占拠
②:『アトラス』が暴走する
という二つの問題が発生した結果、混沌とした状況が生まれている
UDSO
国連データ保安機構(United Nations Data Security Organization)
特定の国家に依存しない人類共通の全資産、全暗号鍵の保護を目的に設立された、国連直轄の独立機関
その目的を達成するために、地上のあらゆるリスクから隔離された究極の聖域として建設したのが、マリアナ海溝の『ブルースフィア』
UDSOはどの国からの政治的介入も受け付けず、中立の立場でデータを保護、管理するデータの守護者的な立ち位置にいる
だが裏を返せば世界中の機密データを独占し、それを自由自在に扱える独裁組織としての一面がある
そのためUDSOに非常に強い反感を持つ敵対組織も存在している
反UDSO
UDSOの機密データ独占を非難し、データの開放を求める団体
年々活動内容が激化しており、今ではテロ組織の代名詞になっている
『ブルースフィア』に乗り込み、武力でデータの開放を実現しようとしている
だがその結果、『アトラス』の暴走を引き起こしてしまう
『トリトン』
真球のチタン合金製で作られた特殊超深海潜水艇で、現在三号機まで製造されている
『ブルースフィア』のメンテナンスや有事の際に現地に赴くために作成された
現在一号機が改修中であり、使用できるのは二号機と三号機のみ
最初に先遣隊として二号機が『ブルースフィア』の様子を確かめに向かったが、二号機からの連絡も途絶えている
一万メートルの超深海に耐え、なおかつ往復できる耐久度を持つ
水圧を均等に逃がすため、人間が乗る区画は完全な球体となっているが、外側に四角い外殻やマニピュレーターなどがついている
窓はなく、代わりに外壁の超高圧カメラの映像をコックピット内の壁一面に投影するデジタル全天周スクリーンを採用している
『トリトン』にもDSRMが搭載されている
DSRM
深層共鳴変調(Deep-Strata Resonance Modulation)
超低周波の音波通信暗号
『ブルースフィア』と地上でのやり取りを行うために使用される唯一の通信手段
文字データや低音質の音声を音波に乗せて送る
暗号化されているため、復号鍵を持つ一部の組織しか通信の内容を確認出来ない
ただ難点は通信速度が非常に遅いこと
深海ということで物理的な距離があることに加え、水温や塩分濃度の変化で音が屈折するため、ノイズが混じったり通信が途切れることがあるため、再送信の必要が発生する
そのため最悪片道数十分のタイムラグが発生する