あらすじ
育成三年目、ステータス覚醒。俺はマウンドと打席で成り上がるに登場するブレイズのエース菅原が主人公になります
外伝的な作品になりますが、上記の作品を読まなくても大丈夫です
中学シニアで全国に名を轟かせ、U-15日本代表にも選ばれた天才左腕――菅原征司。
投げれば圧倒的。打っても規格外。
当然、全国の名門私立高校が争うように彼を勧誘した。
ところが春になっても、どの強豪校の新入部員一覧にも菅原の名前はない。
「菅原征司はどこへ行った?」
「野球を辞めたのか?」
世代最強とも呼ばれた少年は、忽然と高校野球界から姿を消した。
――と思われていた。
実際の菅原は、ごく普通に高校へ通っていた。
進学先は、甲子園とはまるで縁のない超無名校――都立総合高校。
数々の名門校からの誘いを断ってこの学校を選んだ理由は、たったひとつ。
「家から近かったから」
しかも入学してみれば、野球部は弱小。
選手は足りない。設備も足りない。実力だって足りない。
さすがの怪物左腕も、一年目の夏には間に合わなかった。
それでも菅原は野球をやめない。
やがて彼の周囲には、頭脳派捕手の伊達、身体能力は抜群なのにどこか粗い小早川をはじめ、一癖も二癖もある野球少年たちが集まり始める。
そして秋。
無名校のマウンドに立った一人の左腕を見て、高校野球界が騒然となる。
「あれ……菅原征司じゃないか?」
消えたU-15日本代表は、誰も知らない都立高校にいた。
投げればエース。
打てば四番。
「俺が抑えて、俺が打てば勝てる」
本当にそれができてしまう怪物を中心に、弱小野球部の快進撃が始まる。
だが、高校生活は野球だけじゃない。
授業、テスト、文化祭、くだらない男子高校生の悪ノリ。
女子生徒から向けられる好意には、150キロの直球を投げるより苦戦する。
マネージャーやクラスメイトとの距離も、少しずつ変わっていく。
勝って、負けて、笑って、恋をして。
仲間が増えるほど、菅原は知っていく。
一人で勝つ野球と、仲間と勝つ野球は、まるで違うということを。
これは――
一人で試合を終わらせられた怪物が、仲間と甲子園の頂点を目指す三年間。
そして後に「剛腕の魔球使い」と呼ばれる男、菅原征司の始まりの物語。