あらすじ

中学一年生の相葉奏(あいば・かなで)は、人と話すことが苦手な小柄な少年。 口癖は――「どうせ僕なんて」。 そんな奏が唯一好きなのは、亡き父が遺したエレキギターだった。 けれど、人に聴かれるのが怖くてアンプには繋げない。 誰にも届かない、小さな生音。 奏はずっと、“ボリューム0”の世界で一人きりギターを弾いていた。 そんなある日―― 「お前、ギター弾けるんだろ? 俺とバンドやろうぜ!」 太陽みたいに騒がしい同級生・火野樹(ひのいつき)に見つかったことで、静かだった奏の日常は一変する。 理論と正しさにこだわるベーシスト・月島怜(つきしまれい)。 窓辺から三人を眺める、謎めいた天才・早乙女律(さおとめりつ)。 ドラムは走る。 ベースは理屈っぽい。 ギターは震える。 歌えば声まで裏返る。 それでも、バラバラだった音が初めて重なった瞬間、奏は知った。 一人ではただの音だったものが、 誰かと鳴らせば“音楽”になることを。 そして奏たちの前に現れたのは、圧倒的な演奏技術を持つ少年――ジョン・マグカイヤ。 奏たちの荒削りな演奏を「ノイズ」と切り捨てる彼は、仲間を率いて中学校の学園祭「海音祭」のステージへ立つ。 目標はただ一つ。 海音祭でマグカイヤたちと同じステージに立ち、 自分たちの音楽を叩きつけること。 完璧な音楽と、未完成な音楽。 果たして、人の心を揺らすのはどちらなのか――。 「どうせ僕なんて」と俯いていた少年が、 仲間と出会い、自分だけの声を見つけていく。 ゼロだった心のボリュームを、少しずつ上げながら。 これは、不器用で、下手くそで、完璧にはほど遠い少年たちが、 たった一度しかない青春を全力で鳴らす―― 中学生バンドの青春音楽ストーリー。 『ボリューム0(ゼロ)のデイドリーム』 さあ、僕らの音を鳴らそう。

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小説を読もう2026/08/09
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