あらすじ
レン・クロガネにとって、死が新たな人生の始まりになるとは想像もしていなかった。
ましてや、巨大な黒鎌を召喚する能力と、魂に刻まれたたった一つのスキルを持つ異世界で目覚めるなど、夢にも思わなかった。
《権威:死神》
迷宮都市エレティスでは、神々が冒険者たちをそれぞれの神家に集め、都市の地下に広がる巨大ダンジョン、タルタロスを探索するための祝福を与えている。
レンもまた、冒険者になることを夢見ていた。
しかし、一つ問題があった。
どの神も彼に祝福を与えることができないのだ。
彼の魂は、神々ですら理解できない権威に既に属している。
幾度となく拒絶されたレンは、ついにエレシュキガルという美しい死の女神に出会う。彼女の神家は崩壊寸前だった。
彼女には金がなく、
信者もおらず、
神殿は崩れかけていた。
そして、屋根は恐らく来るべき冬を越せないだろう。
こうして、必要に迫られ、好奇心に駆られ、そしていくつかの愚かな金銭判断が重なり、レンはエレシュキガル家の初代一族となる。
新たな女神が暮らす境遇を知ったレンは、ごく単純な決断を下す。
タルタロスへと足を踏み入れ、クエストをこなし、彼女にまともな住まいを与えるのに十分な金を稼ぐのだ。