あらすじ
「君のような、地味な結界修復しかできない女は王太子妃にふさわしくない」
七年間仕えた王太子から婚約破棄され、北境へ追放された侯爵令嬢ミレイユ。
けれど王太子は知らなかった。
――この六年間、王都の大結界を壊さず保っていたのが、ミレイユただ一人だったことを。
攻撃魔法も使えない。
治癒魔法も使えない。
彼女にできるのは、誰にも見えない結界の亀裂を見つけ、一本ずつ縫い直すことだけ。
王宮では「誰にでもできる雑用」と笑われていたその技術を、追放先の北境で待っていた“氷の大公”レオンハルトだけは知っていた。
「あの冬、あなたの手順書で村が一つ救われた」
「あなたの仕事を、俺は雑用だと思ったことがない」
人員。
予算。
権限。
初めてすべてを与えられたミレイユは、崩壊寸前だった北境大結界の修復を開始する。
そして彼女が北境を救っている頃――。
王都では中央結界が明滅。
西門が閉鎖。
夜間外出制限。
ついには、大結界そのものに重大な亀裂が走り始める。
「ミレイユ、王都へ戻ってきてくれ。君が必要なんだ」
今さらそう言われても、もう遅い。
あなたが必要としているのは、私ではない。
あなたたちが価値を認めなかった“私の仕事”でしょう?
婚約破棄から始まる、追放、仕事無双、評価逆転、ざまぁ、そして不器用な“氷の大公”との恋。
誰にも見えない仕事を続けてきた令嬢が、
今度こそ自分の価値を正しく認めてくれる場所を選ぶ――全6章完結の異世界恋愛ファンタジー。