あらすじ
侯爵令嬢リリー・アーヴェントは、十歳の頃から聖女として王国に尽くしてきた。
穢れた土地の浄化、結界の維持、怪我人の治療、災害地での祈祷。どれほど忙しくても不満を口にせず、人々のために働き続けてきたリリーだったが、いつしか周囲にとってその献身は「当然」のものになっていた。
そんなある日、王宮の夜会で婚約者である王太子アルベルトから突然婚約破棄を告げられる。
理由は、聖女としての仕事ばかりを優先し、王太子妃になる自覚が足りないから。
さらにアルベルトの隣には、彼と親密な様子を見せる伯爵令嬢セシリアの姿まであった。
長年の努力を否定されたリリーだったが、婚約破棄をあっさり受け入れる。
何故なら、聖女としての義務がなくなるからだ。