あらすじ
戦国時代をこよなく愛する、ごく平凡な会社員だった男は、不慮の死をきっかけに中世ヨーロッパのような異世界へ転生する。
新たな名は、アレク・ハルトマン。十五歳。
神から授けられたのは、剣をはじめとする武芸の才能、人と人を結びつける力、そして前世で得た膨大な知識だった。
しかし、転生した世界は魔法も奇跡も存在しない乱世。
諸侯が領土を奪い合い、昨日の味方が今日の敵になる世界だった。
英雄になりたいわけでも、世界を救いたいわけでもない。
ただ、生き残りたい。
そのためにアレクは剣を取り、前世の知識を使い、戦場と外交の世界へ足を踏み入れていく。
やがて彼は、低い身分から成り上がろうとする一人の男と出会う。
その出会いをきっかけに、アレクは数多の武将たちと出会い、戦い、時に敵を味方へ引き入れながら、乱世の中心へと進んでいく。
だが、戦乱の中でアレクは奇妙な違和感を覚え始める。
初めて見るはずの地図。
知らないはずの国々。
会ったことなどないはずの人々。
それなのに――なぜか、知っている気がする。
「……いや、そんなはずはない」
これは日本ではない。
彼らも、歴史上の人物ではない。
それでも世界は少しずつ、アレクの知る“何か”に似た道を歩み始める。
これは、歴史を変えるために転生した英雄の物語ではない。
ただ生き残ろうとした一人の男が、いつしか乱世そのものを動かしていく物語である。