あらすじ
人の価値が、生まれ持った異能――『ギフト』の強さによって決まる世界。
皇立学院に通う平民の奨学生ミアに登録されているのは、【どんな食事も美味しく感じる】という地味なギフト。
いつも一緒にいるロキも【無ギフト】と登録されている。
そんなある日、ミアは、公爵令嬢ロゼリアが、婚約者のバッカスから大勢の前で責め立てられている場面に遭遇する。
バッカスが持つのは、格下や意志の弱い者を本能的に萎縮させる【強者の威圧】という強力なギフト。
その力で周囲を黙らせ、証拠もなく婚約者を悪者扱いする彼に、ミアは思わず口を挟んだ。
「あはっ♡ 名門貴族のお坊ちゃまって、さいてー」
激怒したバッカスは、今度はミアへ次々と嫌がらせを仕掛けるようになる。
けれど倉庫に閉じ込められても、
「秘密基地みたい!」
と大喜び。
何をしてもまったく堪えず、それどころか楽しそうに煽ってくるミアに、バッカスは苛立ちを募らせていく。
けれど彼は知らなかった。
自分が目をつけた平民の少女が、決して手を出してはいけない相手だったことを――。