あらすじ
人口の二割が異能を持つ世界。
俺――澱谷朗紀は「いずれ異能に目覚める」と言い続けて、笑われ続けた。
目覚めなかった。
かわりに目から光が消え、腐った魚のような眼と称されるようになった。
そして中学三年の秋、腐り切った目をした俺に与えられた異能は、皮肉なことに『見たものを腐らせる』というものだった。
発現者は異能学園への進学を義務づけられる。
俺こと澱谷朗紀が選んだのは、家から一番近いという理由だけで六稜の一角・国立海嶺学園。
倍率八倍、合格者五十名。
なぜか受かった。
正論で人を刺す才媛。何の裏もなく懐いてくる級友。血統を信奉するライバル。
彼ら彼女らの影に隠れ、地味に目立たないように生きていく。
それでよかった。
それでよかった、はずだった。