あらすじ
静かなマンションの一室で暮らす三十代の夫婦。彼らの食卓には毎日、色鮮やかで可愛らしいお皿に盛られた完璧な手料理が並ぶ。しかし、彼らは決して箸やフォークを使ってそれを口に運ばない。彼らが行うのは、究極の『おままごと』。
「ママが美味しくしてあげるわね」
妻は皿の上の料理を自らの歯で細かく噛み砕き、ペースト状になったものを、夫の口へと直接口移しで与えていく。
流血も暴力も存在しない。ただひたすらに穏やかなリビングに響き渡るのは、ねっとりとした咀嚼音と、嚥下する喉の音だけ。綺麗に飾られた食卓で繰り広げられる、愛に満ちた狂気の風景。