あらすじ
生まれつき翡翠色の左目を持つ少女・菫。
平穏だった村が野盗に襲われた日、彼女は知ることになる――自身の瞳に宿る石が「病を治し、死者を蘇らせる力」を持ち、人々から「竜神の呪い」と言われていることを。
両親と居場所を失い、たった一人で森をさまよう菫が出会ったのは、上質な着物を着た少年・喜助。
二人はやがて心を通わせるようになるが――。
奪われる命、すれ違う想い、逃れられぬ因縁。
ようやく得た穏やかな居場所すらも神殺しによって奪われていく。
「私、自分の目で見て、自分で答えを出します」
運命に翻弄されながらも、凛と立ち上がる少女の旅を描く、和風ダークファンタジー。
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【主要登場人物一覧(第1話~第5話)】 ※一部ネタバレを含みます。
○菫(すみれ):10歳くらい→(第5話終了時点で)14歳くらい
本作の主人公。
翡翠色の左目を持つ少女。
貧しい村の出身。
真面目で優しく、相手の気持ちを考えられる性格。
困難な状況でも、誰かから受け取った優しさを忘れずに生きようとする。
その瞳には竜神の生まれ変わりにまつわる秘密があるとされている。
幼い頃、村で家族と暮らしていたが、野盗による襲撃で家族を失い、竜神への復讐を決意する。
旅の中で多くの人と出会い、ただ復讐するだけではなく、人との繋がりや生き方について少しずつ考えを変化させていく。
○喜助(きすけ):15歳くらい
旅の途中で菫を助けた少年。
神殺しの里の若。
形のよい眉、切れ長の目、つややかな黒髪は後ろで一つにまとめている。
菫に寄り添い、生きていく希望を与える。
その後菫と別れるが、彼女の存在を深く思い続けている。
家業である神殺しについてはよく思っていない。
○碓井(うすい):20代
山寺で暮らす僧侶。
坊主頭に、青みがかった緑色の手拭いを巻いている。
豪快で明るく、僧侶らしからぬ言動も多いが、困っている人を放っておけない優しい人物。
寺で菫と誠太を引き取り、二人に生活の場と学ぶ機会を与える。
子供たちが道を誤らないよう導こうとする。
菫の左目の秘密に気づきながらも、翡翠の瞳ではなく菫自身を見る。
○誠太(せいた):12歳くらい
碓井の寺で暮らす少年。
幼い頃、日照りによる飢饉で家族を失った経験を持つ。
竜神信仰の盛んな村で暮らしていたが、祈りが届かず家族を失ったことで、竜神への強い憎しみを抱いている。
家族を亡くしたことにより、人との距離を取るようになったが、本質的には優しい。
○師範:40~50代
山中の古い道場で暮らす男性。
白と黒が混ざった髪を後ろで縛っている。
穏やかな笑顔を絶やさず、品のある佇まい。
雨に濡れた菫を助け、衣服や食事を与え、そのまま道場に迎え入れる。
相手の過去を無理に聞こうとせず、見守る優しさを持つ。
菫に新たな居場所を与え、生き方について考えるきっかけを与える。
○神殺しの一行
依頼を受けて神を殺すことを生業としている集団。
今は竜神と、翡翠の瞳を持つ存在を探して各地を巡っている。
人の命より目的を優先する冷酷な面を持つ。
着物に「宿り木の葉の紋」が入っている。
○ユキ
道場の周辺に現れる白い犬。
菫の左目と同じ翡翠色の瞳を持つ。
人間の言葉を理解しているような様子を見せるが、非常に気高く、人に触れられることを嫌う。
菫とは少しずつ交流を深めていく。
○白い蝶
菫の周囲に度々現れる二頭の白い蝶。
○川蝉
菫の周囲に度々現れる川蝉(雄)。
背中は鮮やかな瑠璃色、腹の毛並みは燃えるような橙色。
○竜神
雨や雷を操る力を持つとされる存在。
その血には病を治す力があると言われ、人間から狙われた過去を持つ。
人間を嫌っていると伝えられる一方、ある少女との出会いによって心を許したという伝承が残る。
菫の翡翠の瞳の秘密と深く関係している。
天空の青を溶かし込んだような長いたてがみ。
口元には風にたなびく二本の長いひげ。
純白の毛並みと、七色に輝く鱗。
鋭い三本の爪が刻まれた前足には宝玉を握る。