あらすじ
内陸で山に囲まれた護美郷(ごみごう)を治める鮭河家(さけかわけ)に仕える15歳の少年・沙汰丸(さたまる)は、成人の儀式「元服(げんぷく)」を迎える年齢に達していた。
元服では、成人の証として、髷を結い、烏帽子親から烏帽子と諱が授けられる。
諱は内外に名乗る名前。それは烏帽子親が付けてくれるのが基本であり、沙汰丸は考えなくても良いのだが、自分の名前は自分で決めたいと悩み、年上の幼馴染の曇苦斎(どんくさい)を頼る。
曇苦斎から貰った候補も決めきれず、鮭河家の本城・塵芥山城(ちりたくたやまじょう)の城下町で複数の候補をもらいに出かけるも、やはり1つには決め切れない。
ついには、鮭河家の現当主・鮭河真熊(さけかわ まくま)こと御館様(おやかたさま)に元服の沙汰を頼るのだった…
内容には中世日本風を根底に置いて書き連ねてみたが、昨今の通俗的な文章を逸脱してはいない筈。なるべくわかりやすい文章になるようにも意識してみました。
古い時代を好む学識のある者も、どうかおかしいと思わないでいただきたい。
※『短編集海(たんぺんしゅうかい)』は全体のタイトルで、『元服の沙汰』は一番最初の話として置いています。基本的に一話完結です。