あらすじ
五百年前、王星実《おうせい みのる》という名の少年がいた。
神と呼ばれ、英雄と讃えられた男――断罪機構《ジャディケイチャー》総帥オンテックの、たった一人の息子だった。
母は「機構のため」に使い潰され、死んだ。
友を持つことは「非効率」だと禁じられた。
そうして少年は、世界のすべてを憎むことを覚えた。
――いま、彼はアセリオンと呼ばれる。
赤と黒の甲冑に全身を覆い、面の下に顔を持たぬ魔王。無法《ローレス》を統べる異端教統《ヘレシアーキー》の王。
彼はほとんど喋らない。説明もしない。ただ、殺す。
九人の魔人《アナーキスト》を従え、魔王は父のもとへ歩き出す。世界を焼き払うために。