あらすじ

辺境都市ラステルの南通りにある、さびれた雑貨屋《からすの止まり木》。

店主のグレンは、五十手前の無愛想なおっさん。子どもには飴をおまけし、腹を空かせた孤児には掃除の仕事と飯を与え、店番の少女リナには勝手な値引きを叱られている。

そんな彼には、一つだけ許せないことがある。

――自分の店に来る誰かを、泣かせること。

孤児を「商品」と呼ぶ犯罪商会がリナを傷つけた夜、二十人近い悪党が倉庫で倒れた。

剣も魔法も使われていない。

使われたのは、縄、釘、油、分銅、裁縫針。すべて雑貨屋の商品だった。

グレンの正体は、かつて王都で“黒縄の執行人”と恐れられた最恐の元処刑人。

魔法使いは詠唱する前に潰す。騎士は剣を抜く前に折る。法を悪用する役人は証拠で追い詰める。貴族なら、家名ごと吊るす。

だが、彼は正義の味方ではない。世の悪党すべてを裁く気もない。

ただ、店の子を泣かせた相手だけは別だ。

犯罪商会、腐敗した衛兵、悪徳貴族、王都の暗部、そして街そのものを狙う帝国――。

敵がどれだけ大きくなっても、グレンがやることは変わらない。

今日も雑貨屋のおっさんが、店にある日用品で悪党を後始末する。

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アルファポリス
アルファポリス2026/08/08
  • 現在の作品辺境雑貨屋のおっさん、実は王都最恐の元処刑人でした 〜店の子を泣かせた悪党は、魔法を唱える前に日用品で後始末します〜