あらすじ
中納言家に生まれながら、継母に疎まれ、屋敷の隅にある「落窪」と呼ばれる部屋へ追いやられた姫
姫君として扱われることもなく、毎日のように姉たちのための針仕事を命じられる日々。
父は目を逸らし、継母は蔑み、いつしか本当の名前さえ呼ばれなくなっていた。
そんなある夜
夜更けまで一人で針を動かしていた葵のもとへ、道に迷った一人の男が現れる。
三条左大臣家の三男にして、文武ともに都一番と名高い貴公子
「落窪の君」と名乗った葵に、彼は言った。
「それは、名前ではない。あなた自身の名前を聞いている
その夜から、止まっていた運命が動き始める。
虐げられてきた姫君と、彼女の価値を誰より早く見つけた貴公子。
名前を呼ぶことから始まる、平安の身分差シンデレラ・ラブストーリー。