あらすじ

深夜、終電を逃したAIエンジニア・森川水輝は、タクシー乗り場で一人の少女と出会う。 少女の名は、野際雫。十八歳。 彼女はなぜか、目の前に来たタクシーに乗ることを拒んだ。 翌朝、水輝はニュースを見て言葉を失う。 昨夜のタクシーが事故を起こし、運転手と乗客が死亡していたのだ。 ――あの少女は、事故を知っていたのか? 疑問を抱いた水輝が再び雫を探すと、川辺で真っ黒に焼けた一台の車を発見する。 そこで明らかになる、雫の両親の死。 父が残した謎のケース。 聞いたこともない海洋深層水。 そして、一本のネックレスに刻まれていた、太平洋上の座標。 その場所を地図で調べても――島など存在しない。 しかし、古い都市伝説にはこう記されていた。 **「太平洋上には、地図に載らない幻の島がある。通称、N-88」** なぜ雫の父は、その場所を知っていたのか。 なぜ事故は起きたのか。 ケースの中には何が隠されているのか。 そして、地図に存在しないN-88には、いったい何があるのか。 水輝たちはやがて、誰も知らない太平洋の海へ向かう。 そこで彼らを待っていたのは、想像をはるかに超える秘密だった――。 AIが当たり前になった未来で、合理性だけでは、人間は生きられない。 幻の人工島をめぐる、近未来ミステリー・アドベンチャー。 --------------------- <登場人物>  野際正太郎:50歳。雫の父。AIエージェントを活用した一人社長会社「野際ドリンク」を経営。  野際雫:18歳。正太郎の娘。子ども食堂で働いている。  野際銀次郎:96歳で他界。雫の祖父。  森川水輝:27歳。AIプロンプトエンジニア。趣味は水の収集と分析。  森川陽子:24歳。水輝の妹。バリスタ。コーヒーに関しては兄以上のオタク。  北川勇:40歳。国際戦略資源協議会から依頼を受けた民間情報会社の工作員。  田川圭介:45歳。内閣官房国家情報局の職員。  吉田こめ吉:48歳。社員十人の零細企業「大阪資源開発」の社長。大阪人。

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カクヨム2026/08/08
  • 現在の作品N-88 ― 父の死と、地図にない島